一見、同じデザインのユニフォームでもレプリカ、オーセンティック、そして選手支給品 といった3種類の異なる仕様が存在します。

遠目からではそれらの違いに気づきませんが、それぞれ用途に合わせて異なるつくりとなっています。こうした違いを精査していくことで、普段は目にすることの少ない、トップアスリートを支えるメーカーの創意工夫の努力を垣間見ることができます。

今回はネイマール選手のデビューモデルとして世界的に高い人気を誇ったバルセロナの13/14シーズンホームユニフォームを比較検証していきます。ここで精査をはじめる前に改めて先の3種類の定義について振り返ります。
 


まずレプリカは応援用。一般的なスポーツショップで販売されています。主には試合観戦時の着用を想定しており、ゆったり目のつくりとなっています。また繰り返し洗濯しても簡単には傷まないように耐久性に配慮されています。
 

オーセンティックは選手仕様に近づけたアスリートモデル。こちらもスポーツショップなどでレプリカの2〜3倍の価格で販売されています。主に競技用のためパフォーマンス向上を重視しており、動きやすいタイトなシルエットのものが多い傾向です。
 

そして選手支給品はプロ選手のスペア。選手が実際に試合で着用するユニフォームそのもの。基本的には市販されていないため、試合後にユニフォーム交換をした選手などから市場に流通します。
 

以上を踏まえて3種類の仕様の異なるユニフォームのディテールを分析していきます。
 

【テキスタイル】

ボディとの接触面の多いテキスタイル選びは、パフォーマンスに直結する速乾性と通気性を左右する根幹。 レプリカはうっすらと凹凸模様が見られるDRI-FITの生地を全体に採用しています。ユニフォームとしては多少しっかりとした肉厚な印象を受けます。
 

一方オーセンティックは前面に同じDRI-FITを使用していますが、背中一面は薄いメッシュを採用しています。これは選手支給品と同じ仕様で、発汗性と通気性の向上が図られています。両面がDRI-FITであるレプリカに対して、背面にメッシュを使用しているオーセンティックと選手支給品は大幅に軽量化され薄手になっています。 
 

 .譽廛螢:前面と背面にDRI-FITの生地


▲ーセンティック:前面はDRI-FIT、背面はメッシュ


A手支給品:前面はDRI-FIT、背面はメッシュ

【サイズ表記】

すべてのモデルで共通のサイズ表記がプリントされています。しかし、レプリカとオーセンティックではサイズ表記の視認性を確保するために半円状にDRI-FITの生地を縫い付けてその上に印字しています。一方、選手支給品ではプレー時の快適性を重視し、メッシュに直接印字されています。そのため背景と同色系のサイズ表記が見づらくなっており、よほど目を近づけないと確認できません。市販されている2モデルは店頭でのサイズ間違いを防止するための方策と考えられます。選手支給品は究極の快適性を追及しています。
 

.譽廛螢:半円状の生地の上に印字



▲ーセンティック:半円状の生地の上に印字


A手支給品:メッシュに直接印字

 

【品質管理表記】
 

先のサイズ表記と同じくレプリカとオーセンティックでは誤った取扱いによる損傷を防止するため、品質管理の表示は白いタグに記載されています。しかし、タグは素肌に触れると違和感となる場合があります。そのため選手支給品ではメッシュに直接プリントされており、同時に軽量化にも役立っています。

.譽廛螢:タグに記載


▲ーセンティック:タグに記載


A手支給品:メッシュに直接印字            


 

【LFPバッジ】

レプリカには刺繍バッジが右袖に縫い付けられており、選手支給品はラバー素材のバッジが圧着されています。オーセンティックにはバッジはついていません。

.譽廛螢:刺繍バッジ / ▲ーセンティック:バッジなし / A手支給品:ラバーバッジ  

【通気孔】

プレー中に上昇する体温を逃がすため、脇下から脇腹に掛けてレーザーで45個の穴があいています。こちらはオーセンティックと選手支給品で共通の仕様となっています。
 

.譽廛螢:なし / ▲ーセンティック:あり / A手支給品:あり



 

【T型補強パーツ】

オーセンティックと選手支給品は背面のみメッシュを使用することで、両肩の接合部分の耐久性が下がります。そのため縫製部分にT型をしたラバー素材の補強用パーツが設置されており強度を増しています。プレー中にユニフォームを引っ張られることを想定した対策です。
 

.譽廛螢:なし / ▲ーセンティック:あり / A手支給品:あり


 

【その他】

12月12日、バルセロナは半導体メーカーのインテル社と4年半で2500万ドルのスポンサー契約を締結しました。その内容はユニフォームの内側にインテル社のロゴが入れ、ゴールを決めたときなど、選手たちがユニフォームを裏返したときにロゴが見えるようになっているとても珍しいマーケティングです。
 

 

ロゴ入りのユニフォームは12月14日のビジャレアル戦から使用されています。契約内容にはロゴを見せる義務は課せられていないため、お披露目される機会は限られており、あまり周知されていません。
 

なお、弊社調査ベースではチャンピオンズリーグのユニフォームにはインテルのロゴが圧着されておらず、リーガのみ対象となっているようです。当然、レプリカにもオーセンティックにもインテルのロゴは印字されておらず、選手支給品の場合でも12月14日以降に準備されたユニフォームにのみインテルロゴが内側に圧着されています。


https://www.the-dugout.jp

Images: As specified

Text: The Dugout


最終更新日:
2014年7月17日 21:19

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