16億人のサポーター、2億7千万人の競技人口、10年W杯の延べ視聴者数300億人。これらの数字はサッカーが世界で最も人気のあるスポーツといわれる所以です。

近年では欧州のクラブによる活発なマーケティングや衛星放送の普及拡大により、アジアや中東、そして特に”サッカー不毛の地”といわれて久しい北米でも人気が高まっています。象徴的なのは14年8月にミシガン州で行われたマンチェスターU対レアルマドリードの国際親善試合。スタジアムには米国内観客数記録を30年ぶりに塗り替える10万9318人が来場。米4大スポーツを抑えての快挙となりました。

このように成長著しいサッカー市場において、投資家やコレクターから資産分散の代替投資先として注目されているのがメモラビリアです。21世紀に入り世界各地で記録的な落札額が続いており、サッカー人気の拡大に比例する形でメモラビリアの価値も上昇傾向にあります(世界最高額のサッカーメモラビリア参照)。

しかし、スポーツ全体におけるメモラビリアの落札額トップ10をみると、野球やボクシングが大半を占め、まだサッカーは1点しかランクインしていません。今後のサッカーメモラビリアにおける成長の可能性を模索すべく、スポーツメモラビリア先進国の欧米での落札事例を振り返ります。

 
10. 1932年ベーブ・ルース “予告ホームラン”ユニフォーム:$940,000
 

(Image: Grey Flannels Auctions)
 

1932年のワールドシリーズ第3戦、NYヤンキース対シカゴ・カブスでベーブ・ルースが実際に着用していたユニフォーム。4対4で迎えた5回に”Called Shot”として有名な予告ホームラン”を放った歴史的な一戦として伝記にも登場し、後世に語り継がれているスポーツシーンの名場面の一つです。

ユニフォームの存在が最初に確認されたのは1991年。個人間で取引され$150,000で売却されました。当時は専門家の証明書は付属しておらず、真贋も明確な状態ではありませんでした。
 

その後、1999年に$284,000で別のコレクターへ譲渡。そして6カ月による専門家の膨大な資料の分析によって見立てが確実なものとなり、2005年にニューヨークで約3倍の金額で落札されました。

 

9. 1918年ベーブ・ルースレッドソックス契約書:$1,000,000


(Image: Goldin Auctions)
 

1918年に発行されたベーブ・ルースのレッドソックス契約書。選手、球団、リーグ用の3部が存在しており、出品されたのは最も人気の高いベーブ・ルース本人が所有していたもの。キャリア初期の契約書は特に希少性が高く、同選手の全盛期にも当たるため、多くの注目を集めました。ボルチモアのオークションで匿名のコレクターが2014年に落札しています。
 

8. 1965年モハメド・アリ ヘビー級タイトル実使用グローブ:$1,100,000


(Image: ESPN)
 
史上最強のボクサーとして名高いモハメド・アリが1965年にラスベガスで行われたヘビー級タイトル戦で着用したグローブ。対戦相手のフロイド・パターソンに12ラウンドTKOで勝利し、2度目のタイトルを獲得しています。UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)の共同CEO、ロレンゾ・フェルチッタ氏が2012年に落札。

 
7. 1923年ベーブ・ルース “第1号ホームラン”バット:$1,265,000

(Image: The Richest)
 

1923年4月18日に完成したヤンキースタジアムで、第1号となるホームランを放ったベーブ・ルースが使用していた幸運のバット。試合直前にはホームランへの強い意欲を示しており、3イニング目に有言実行で達成。全長36インチ、重さ約1kgのバットにはホームランの本数を記録していたベーブ・ルース本人による切り込みが入れられています。
 

バットはボストンにある築150年の古民家に隠されていた、第一次大戦前に使用されたレッドソックスのバットの束から発見されました。ニュージャージーで2004年に落札されています。
 

6. 1972年ポール・ヘンダーソン“サミット・シリーズ”ユニフォーム:$1,275,707 
(Image: The Richest)
 

カナダの国民的ヒーローとして知られるアイスホッケー界のレジェンド、ポール・ヘンダーソンのサミット・シリーズ実使用ユニフォーム。世界最強国を決めるべく1972年にカナダとソ連がサミット・シリーズと称し、互いのホームで4試合を対戦。結果はカナダ代表が5勝3敗で勝利し、内3試合で決勝ゴールを記録する大車輪の活躍をみせたのがヘンダーソンでした。
 

冷戦時代にあった当時はスポーツの勝敗を超える国の威信をかけた戦いとして全国民の期待が掛けられ、着用されていたユニフォームは多くのカナダ国民の希望の象徴となっています。
 

試合終了後、ヘンダーソンは自身のユニフォームをカナダ代表チームのトレーナー、ジョー・セグロにプレゼント。その数年後、ジョーはアメリカの匿名コレクターへ売却し、それ以降は所在不明となっていました。しかし約40年の時を経て、2010年にアメリカで競売会社にコンサインされ、トロントの実業家ミッチェル・ゴールドハーが「カナダの国宝はカナダにあるべきだ」として落札。現在はカナダの展示会や博物館に貸し出されています。

 

5. 世界最古のサッカールールブック:$1,400,000

(Image: Sotheby's)

歴史的遺産を所有していたのは世界最古のサッカークラブ、シェフィールドFC。財政難に立たされ、苦渋の決断の末に競売会社に依頼。手書きのルールブックには現在でも継続されている関節フリーキックやコーナーキックの規則が記されています。2011年にロンドンで匿名の入札者によって落札されました

 

4. 1998年マーク・マグワイア “70号ホームラン”ボール:$2,700,000

(Image: The Richest)

 

1998年にシーズン最多記録となる70本塁打を達成した際のホームランボール。当時スタジアムで観戦していたワシントン大学の遺伝子研究者フィル・オゼースキー氏が入手。球団側からサポーターグッズとの交換の申し入れがあったものの辞退し、翌年ニューヨークの競売会社へコンサインされ、野球ボールでは史上最高額となる270万ドルで売却。落札者は漫画スポーンの作者として知られるトッド・マクファーレン氏。

 

3. 1909年ホーナス・ワグナー ベースボールカード:$2,800,000

(Image: The Richest)

没後60年の今でもベースボール史上最高の選手として語り継がれているホーナス・ワグナー。1909年にタバコのおまけとして生産された同選手のトレーディングカードがアメリカで2012年に落札されました。カード欲しさにタバコを購入する子供が増えることを懸念したワグナーが生産中止を求めたため、約60枚しか流通していない希少性が極めて高いカードです。


 

2. 1891年ネイスミス初代バスケットボール・ルールブック:$4,338,500
(Image: The Richest)

バスケットボールの考案者として有名なカナダ出身の体育教育者ジェイムズ・ネイスミスが執筆したルールブック。当時、冬のニューイングランドでは積雪の影響で、屋外競技が制限されていたため、屋内競技の考案が課題となっていました。
 

身体接触を多く含むラグビーやサッカーは屋内には不向きであったため、代わりに考案されたのがバスケットボール。ボールを持ったまま走ってはならない、身体接触・衝突の禁止などの規則に加え、高い位置に水平のゴールを置くことで、得点するには力よりも正確さが必要になり、怪我のリスクを減らすなどの工夫が考えられました。
 

その結果、2ページにわたる13のルールが記された”バスケットボールの出産証明書”と呼ばれる初代ルールブックが誕生。2010年にアメリカで出品され、テキサスの投資信託会社CEOデイビッド・ブース氏が落札。その後、カンザス大学に寄贈されています。


 

1. ベーブ・ルースNYヤンキース実使用ユニフォーム:$4,415,658

(Image: SPC Auctions)
  
世界最高額のスポーツメモラビリアは、ベーブ・ルースがNYヤンキースに入団した1920年頃に着用していたユニフォーム。04年から09年までボルチモアにあるベーブ・ルース博物館に貸し出されていた有名な1着。カリフォルニアで2012年に匿名の入札者が落札しています。

https://www.the-dugout.jp

Images: As specified

Text: The Dugout


最終更新日:
2015年1月26日 23:33

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